当店が、販売しているナチュラルワイン(自然派ワイン)について (未完成)

 

ワインは、ぶどうから造られる醸造酒です。

そのワインは、工業的に造られているものが、大半で 

よく見かけるワインは、ほとんどがそういったものです。


ナチュラルワインというジャンルは、そうした中 

本来の素朴なワインの姿に戻す運動であり じわじわと広まっています。


農家の農薬による負担と低アルコール嗜好に関連した軽やかなワインへの偏向、

ナチュラルなワインを造る原点回帰が、

時代のニーズにあった飲み物として現在から未来へと

発展していくのは間違いないと思われます。


自然派ワインの定義


天然酵母(野生酵母)にて醗酵させ 

亜流酸塩(SO2)の添加を極少量、もしくは 無添加で造りきられたワイン。(目安として 50mg/リッター以下)

本当の意味で 100%ブドウのアルコール飲料を目指す事であり

健康の為ではありません。

(結果 頭が痛くならないという事が、起きる場合もあるだけで それが、目的ではないです。)


畑が、オーガニック(ビオロジック)、ビオディナミのぶどうで

醸造行程が、一般的なワイン造りと変わらないものは

それぞれ オーガニックワイン、ビオディナミワインと呼び

自然派ワインと呼称分けするべき違いがあります。

培養酵母を使って醗酵させ 補酸や補糖をしているオーガニックのワインは、ナチュラルとはいえません。

 


ビオワイン=ナチュラルではない。

ビオは原料 ワインの場合 ぶどうですが

その栽培が有機栽培であるということで なんら醸造段階のナチュラルさを

訴えかけるものではないのです。


抽象的過ぎるので ビオワインと呼ぶのはやめましょう。 

ひとくくりにされる事に非常に抵抗感を感じます。

 


畑仕事について


 リュット・レゾネ

減農薬農法で 必要な時には農薬を使うというやや緩めではありますが

実質 次の3つの農法だったりすることの多い表現的にある意味困った農法。

 

ビオロジッ(オーガニック)

所謂 オーガニックだったり 有機栽培と呼ばれているもので

化学肥料を使わず 有機肥料を使用する。 

また 一部 ボルドー液のように認められるものもあるが基本 無農薬で作る農法。

注意:オーガニック認証を取っていても 使ってよい農薬が限定されているだけで 無農薬ではない事がほとんどであることを知らない人が多いようです。 完全な無農薬のぶどう栽培はなかなか難しいです。
 

ビオディナミ(バイオダイナミック)

月の満ち欠けで農業のスケジュールを決め

ブドウ、ワインを生き物(生体)と考え 

地球 更には 宇宙のパワーを最大限に利用した農法

また ビオディナミの考え方は造りにも波及しており

樽やタンクからワインを動かす際や瓶詰め時などもビオディナミ・カレンダーに従う。

 

自然農法

何もせず(実際 何もしていない訳ではないです。笑) 地球の治癒力だけに頼る

まさに自然農法。 この農法をやる方は大抵 有機肥料に懐疑的です。 

 

上記の農法は当然のようにやってもらわないと困るのですが

ナチュラルワインは醸造にポイントが置かれていると言って構わないと思います。

ただし 地中から得られる天然酵母は大事なので

農薬や殺虫剤 化学肥料で汚染されていない土壌というものは基本と言えるでしょう。

 

農薬や化学肥料を常用し 天然酵母を使い 無添加で醸しても

ナチュラルとは 呼べません。

 

慣行農法(無農薬でない一般的な農法)のぶどうで 自然派のように造ったワインは「自然醸造ワイン」と呼んでいます。

 

醸造について 

先に述べたように

ぶどう100%でワインを造っていくことが、自然な造りにつながります。

天然酵母で補糖も補酸もせず フィルターがけも最小限に止め 造ってゆきます。

亜硫酸塩の添加は天然酵母の働きを妨げないよう醸造中は使わない事が多いです。

よって 発酵を止める為に亜硫酸塩を使わない代わりに 

発酵期間が数年にわたる事も多々あり 困難を極める場合があります。

また ぶどうの状態、気候によっては お酢になってしまうキュヴェも多く 

簡単な醸造ではないが故 大量生産も困難にしています。

 

完全に無くなった訳ではありませんが、ナチュラルワインは臭いとか 不味いという時代はとっくに終わっており

近年どんどん技術や設備が向上し ワインも綺麗で普通の(クラシックな)ワインに近づいています。


 

無添加と亜硫酸塩について 

酸化防止剤とくくられてしまう亜硫酸塩はブドウの果汁が醗酵すると自然に出て来るもので

成分表的に入っていないワインは世の中に存在しません。 

(無添加で おそよ1mg/リッター ~ 20mg/リッター 品種、天候、ph値などにより変化。 ちなみに輸入が認められる総亜硫酸の上限は、350mg/リッター。)

 

無添加のワインはなぜ裏書に酸化防止剤含むと書いてあるのか?と お思いの方は多く 

よく疑問を投げかけられますが、お役所の決まりで書かなければならないのです。

また 自然派ワインはすべて無添加で醸されていると思っている方がいらっしゃいますが

完全に無添加で造っている造り手は自然派ワイン界でも それほど 多くありません。

 

自然派ワイン的添加というと

瓶詰め時に亜硫酸塩の少量添加が比較的多いと思います。

これは造り手からすると 日本という少し遠い国に運ぶ際 

少なからずマイナス方向に味わいの変化が見られる事を嫌い

安定させる為に少量の亜流酸塩を入れたい訳です。

 

最近伺った話では 亜硫酸の添加は醗酵前が良いというような話を聞きましたが

あまりそうしている造り手を知らないので 今後 確認していきたいです。
 

最後に亜流酸塩の効果

酸化防止、殺菌作用、発酵の停止、清澄作用、黒ぶどうの色素抽出、


 

管理、保管について


15度以上に長時間置きたくありません。

生モノとお考えください。

たまに レストラン等でナチュラルワインをカウンターに並べている店があり

ショックを受けますが 生肉や魚をカウンターの上に出しっぱなしにしているような行為です。

 

ナチュラルワインの管理面での知識は通常のワイン以上にとても大事です。
 

ナチュラルワインをあらゆる面から見て 失敗を重ねれば 一般家庭においては、

冷蔵庫管理でも良い位ですが 赤ワインは飲む温度を考えると悩ましいところで

各々の状況で 工夫が必要かもしれません。

飲み残しに関しては通常のワイン同様 抜栓後 低温管理が必須となりますが

意外と保つワインも多く驚かされます。

どちらかというと白の方が開栓放置に向きますが

赤で抜栓後1年保ったワインというものも実際あります。

 

実際のところ

当店を出るまでは 日本国内で手に入るワインとして 相当程度万全です。

自然派ワインを扱う世界のワインショップの中でも ちゃんとやれていると自負しております。

 

なにせ 店のワインは基本的に自分のモノで 

お客様にはおすそ分けをしているという心持で運営しておりますので・・・(^^

 

そこで そのワインを引き継ぐお客様にはしっかり受け取った後のケアをお願いいたします。

お客様が痛ませてしまったら 何の為に苦労してフレッシュな状態で多くの人間が係わり

ここまで管理したのか 意味なくなってしまいます。

 

業界的に 大変やっかいなのは

あるお店では あるワインは熟成しない 持たないと言われているワインが、

当店 及び うちのような感覚でワイン販売をされている酒屋さんでは

フレッシュさを保っているという事実。 

買う店を探す事はワインを選ぶ以前の問題であったりします。

 

注意:ナチュラルワインを売っていれば良い店という訳ではないです。
 

 

ナチュラルワインの長所


 
体に馴染んでいくような心地よい飲み口。

原料であるぶどうの味わいを素直に感じる事が出来る。

飲んだ翌日 体が楽。

●土に優しいワインが多いので 間接的に健全な土壌を守る手助けが出来る。

 

ナチュラルワインの短所 


●管理がとっても面倒臭く 低温管理を考えると 実はエコでない事。

●なぜかビオ臭と呼ばれる(?) 還元香(酸欠香)などや酵母の味わいなどにより

飲みたい時に必ずしも美味しく飲めるとは限らない事。

●ボトル差や短いスパンでの味わいの変化が激しい事。

●見た目が濁っていたり 澱が多かったりする事。

●定義があやふやな為 到底 ナチュラルと呼べないワインをナチュラルと称して売っている事。

大量のワインを造る事が難しく通年楽しめるワインが少ない。

味わいがクリアでない為 品種の個性が解りづらい。



 

ナチュラルワインの楽しみ方指南

 

ナチュラルワインは、ボルドー、ブルゴーニュ、トスカーナのワインといった色々あるワイン類の一つのジャンルと考えた方が良いです。

ヴィンテージによる影響も大きいので 

産地主体のワイン選びではなく 造り手で飲んでゆく事がもっとも向いている楽しみ方です。
 

一人でも多くの造り手を知っていただき

時に称え 時に貶す 

喜怒哀楽を持って 彼らのワインを楽しみにしていただければと思います。

 

また 数ヶ月単位で酒質が変化するワインが多いので

気に入ったものがあれば 同じワインを何度か飲まれるのもオススメいたします。
 

同ヴィンテージでもそうなのに 違うヴィンテージのものを知っているエチケット(ラベル)だから飲まないというのはナンセンスです。

ワインを使い捨ての物みたいに飲んだり 売ったりしている人がいるのは残念な事です。
 

セラーをお持ちのお客様方へ

ナチュラルワインと普通のワインでは少し管理温度が違います。

下の方の段を自然派ワイン用にして 設定温度を少し低くしてください。(11~13度)

パカレやロック、コサールのワインを16、7度で寝かせて 痛んだなどという話は、よく聞きますが

悲劇ですね。


 

同業者の方に 一言

ナチュラルワインは13度ぐらいなら痛まずゆっくり熟成していきます。(20年以上も可能です。)

 

商売でナチュラルワインを売る場合 冷蔵庫タイプのセラーは向きません。

インポーターの倉庫 例えば寺田の倉庫などは、14度設定ですが痛みません。 

それは開け閉めなどによる 急激な温度上下動が少ない&ダンボールに入っているから安定していると思われます。

ウォークインセラーは基本の形と言えるでしょう。

冷蔵庫タイプのセラーでワインを売っているお店での購入は要注意です。

 

やむえず 冷蔵庫タイプのセラーを使われる場合は、

基本温度を10度とかにすれば なんとか対応出来るかもしれません

いずれにしても早めに 売らなければならないと思います。
 

同じところに若いボルドーとかブルゴーニュを置くと

熟成遅い(なかなかしない)です。


 

これからナチュラルワインを扱いたい飲食店さんへ 一言  

1000円のナチュラルは存在しません。

その価格帯であれば 大抵 オーガニックのワインです。

また 1000円台後半のナチュラルワインも種類は多くな 

値段でワインを選んでる店には全く向かないワイン群です。

キーワード的に魅力だからではなく 本質を知って扱っていただきたい。
 

あと セラーを買ってから始めてください。

それくらいの投資も出来ないお店は扱っちゃダメです。


 

最後に

大地の恵み(パワー)を最大限に閉じ込めた液体であるナチュラルワインを飲んで

明日の活力にして頂ければ 生産者同様 我々も嬉しいです。